英国経済と通貨の動向(2017年8月)
英国景気と通貨ポンドは底堅い推移となる見込み 【デイリー】
2017年8月4日
【ポイント1】景気はやや減速

■英国は昨年6月の国民投票でEUからの離脱(Brexit)を選択した後も堅調な経済成長が続いていましたが、今年に入り減速感が見られます。
■7月26日に発表された2017年4-6月期の実質GDP成長率は前期比+0.3%となりました。前期よりもやや高い伸びとはなったものの、前年同期比では減速しています。内訳を見ると、サービス業が前期から加速しプラス寄与となりましたが、鉱工業や建設業のマイナスが全体に影響しました。
【ポイント2】金融政策は現状維持

■イングランド銀行(BOE、イギリスの中央銀行)は、3日の金融政策委員会で金融政策(政策金利や量的緩和の規模)を据え置きました。
■同日発表されたBOEの経済成長見通しでは、2018年の物価見通しが0.1%引き上げられ、2017年、2018年の実質GDP成長率が前年比+1.7%、同+1.6%へと引き下げられました。足元の経済指標の下振れが影響したと見られます。
【今後の展開】経済、通貨は底堅い動きが続く見込み
■今後の英国経済は、ユーロ圏経済など世界景気の回復を背景とした外需の好調さや投資に支えられて、底堅い成長が続くと見込まれます。また、景気の拡大やこれまでのポンド安の影響から物価はやや高めで推移すると見られます。市場では年内の利上げを見込む向きも出てきており、こうした底堅い経済や利上げ観測により、ポンドは底堅く推移すると見込まれます。
■なお、英国とEUとの間ではBrexitの交渉が続いています。今後この交渉の行方次第では景気や通貨の動向にも影響があると考えられ、引き続き注目が必要です。