ECBの金融政策(2016年12月)
量的金融緩和の規模を縮小し、終了時期を延長 【デイリー】

2016年12月9日

【ポイント1】量的緩和期間を9カ月延長

購入規模は縮小

■欧州中央銀行(ECB)は8日の理事会で、国債などを買って市場に資金を供給する量的緩和政策の実施期間を9カ月間延長し、17年12月末まで続けることを決定しました。ただし、17年4月から国債などの購入規模を現在の月800億ユーロから月600億ユーロに減額します。ECBが量的緩和の規模縮小に踏み切るのは初めてです。政策金利、中銀預金金利(金融機関がECBに余剰資金を預け入れた際に適用する金利)は、それぞれ0.00%、▲0.40%に据え置きました。

【ポイント2】テーパリングは議論せず

経済見通しのリスクは下振れ

■ドラギ総裁は記者会見で、経済見通しについては前回9月と概ね同じであり、下振れリスクがあることを指摘しました。物価は、原油価格の上昇などに後押しされて上向くと説明しつつも、上昇トレンドに入ったとは言えない状況にあるとしました。また、「(量的緩和を段階的に終わらせる)テーパリングは議論していない」と強調しました。

【今後の展開】今回の決定は市場予想よりもハト派的、当面現状維持

■今回の金融政策については、市場の予想通り17年4月以降の資産購入の延長が決定されましたが、購入ペースは600億ユーロに減額されました。減額だけとればタカ派と見えますが、期間を勘案した購入額や記者会見の内容を含めて考慮すると、市場予想よりもハト派的な内容と考えられます。

■ECBは8日の声明で、市場の状況などで物価が上がらない場合は、買い入れ規模の再拡大や実施期間を延長する考えも示しました。しかし、足元の欧州景気は底堅く推移していることから、中国など新興国経済が大きく不安定化しない限り、現状の金融政策が当面維持されると見られます。

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