ホームマーケット日々のマーケットレポート意外にしっかりすると見られる英国の不動産市場 住宅価格の伸びは鈍化するが、17年には持ち直しへ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

意外にしっかりすると見られる英国の不動産市場
住宅価格の伸びは鈍化するが、17年には持ち直しへ 【デイリー】

2016年9月8日

【ポイント1】8月の住宅価格はまちまち

■英住宅金融大手ネーションワイドが発表した8月の英国の住宅価格指数は、前年同月比5.6%の上昇と、7月(同5.2%)に比べて上昇率が小幅に加速しました。一方、英住宅金融大手ハリファックスが発表した8月の住宅価格指数は同4.1%の上昇となりました。前月比では0.2%下落し、1.1%下落した7月に続き、2カ月連続のマイナスでした。

■英国が欧州連合(EU)離脱(Brexit)を選択した影響から住宅需要は弱含んでいるものの、今のところ市況悪化には歯止めがかかっている模様です。

【ポイント2】住宅ローン承認件数は減少

■イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が発表した7月の住宅ローン承認件数は、1年半ぶりの低水準となりました。住宅ローン承認件数は、住宅価格や住宅投資の先行指標とされ、今後の住宅価格や住宅投資の減速が示唆されます。

【今後の展開】住宅価格の伸びは鈍化するものの、17年には持ち直しへ

■英国の不動産市場については、「Brexit」を巡る国民投票の不確実性を背景に、昨年からロンドンを中心に取引が縮小したり、住宅価格が下落する動きがみられました。しかし、国民投票後、8月にBOEが金融緩和に踏み切ったことや、メイ政権が現実路線でEUとの離脱交渉に臨むとの見方から過度な不安心理は後退しているようです。

■今後は、住宅ローン承認件数の減少などを背景に年末にかけて住宅価格の上昇率の鈍化傾向が続くとみられます。しかし、ポンド安が進むなかで、海外投資家にとって英国不動産に徐々に割安感が出てくることや金融政策や財政政策の見直しによって景気が来年にかけて改善に向かうと予想されるため、17年には住宅価格上昇率や不動産市場が持ち直すことが期待されます。

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