欧州株式市場の動向 金融緩和継続により、底堅い展開を期待【デイリー】
2015年9月8日
【ポイント1】強力な金融緩和から、パフォーマンスは良好
新興国は経済と金融政策が制約
■年初来の世界の主要株式指数のなかで、欧州のパフォーマンスは良好です。欧州や日本は強力な量的金融緩和をしていることが背景です。
■一方、景気減速懸念が高まっている国、通貨安懸念から金融緩和に制約がある国、利上げが見込まれる国の株価指数のパフォーマンスは低調です。

【ポイント2】企業業績は拡大
株価は業績に沿う展開へ
■欧州の株価指数は企業業績の拡大に沿って推移しています。景気回復や金融緩和による資金調達環境の好転がその背景です。物価が前年比プラス圏となり、デフレ懸念が後退したことも影響していると見られます。
■今後、2017年に向けて、企業業績は緩やかな拡大が見込まれており、株価は企業業績の拡大に沿って推移することが期待されます。

【今後の展開】金融緩和の強化も予想され、株式市場は底堅い展開へ
■ユーロ圏の景気は、これまでのユーロ安や金融緩和の効果などにより輸出や消費が緩やかに回復しています。ギリシャを巡る不透明感も落ち着きを見せ、2016年は1%台半ばの経済成長率、1%程度への物価上昇が見込まれます。
■景気と物価のリスクとしては、中国など新興国経済の下振れ、原油安の進行などが考えられます。ただし、下振れの場合には、欧州中央銀行(ECB)による金融緩和の強化が見込まれます。株式市場は企業業績拡大と緩和的な金融環境を背景に底堅い展開が予想されます。