ホームマーケット日々のマーケットレポートECBは現行の量的緩和を継続【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ECBは現行の量的緩和を継続【デイリー】

2015年4月16日

【ポイント1】月600億ユーロの購入を維持

政策金利も据え置き
■欧州中央銀行(ECB)は15日、政策金利、預金金利を、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え置くことを決定しました。また、3月から開始した月600億ユーロの国債などの購入策を2016年9月まで継続する方針を維持しました。

■市場では緩和策の継続が好感され、ドイツの10年国債利回りは低下し過去最低を更新、欧州株式は上昇、ユーロは対米ドルで一時下落しました。

【ポイント2】金融緩和の有効性に言及

緩和縮小観測を打ち消す狙いも
■声明文では、現行の措置によりここ数カ月で、民間の資金調達コストの低下や借入条件緩和などに大きな改善があったとし、金融緩和策の有効性に言及しました。さらに、2%近くの物価目標の達成に向けて現行政策の完全履行に注力する方針を示しました。

■市場には、ECBの緩和策の効果が期待以上で緩和縮小観測も一部でとりざたされていたことから、総裁は現行政策の継続を強調することで、そうした思惑を打ち消す狙いがあったと見られます。

【今後の展開】物価目標達成に向けて、資産購入を2016年9月まで継続へ

■4月10日時点での国債購入は617億ユーロで、購入開始直前の3月6日時点と比較すると、その他の資産を含めて、約756億ユーロの資産が増加しました。このペースで進むと、2016年9月までに総額1兆ユーロ強の資産拡大が見込まれます。強力な金融緩和により、ユーロ圏経済は回復色が強まっており、物価も原油安の影響が一巡する今年後半から徐々に目標に近づく動きとなることが期待されます。

■為替市場では、米ドルに対するユーロ安が見込まれます。円に対しては、日銀の強力な金融緩和などから、方向感が出にくいと見られます。

■債券市場では、金融緩和が長期化し、国債利回りは低位で推移するという見方が強まっています。

■株式市場では、金融緩和によるユーロ安で企業業績見通しが上向いていることから、総じて堅調な展開が続くと予想されます。

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