ホームマーケット日々のマーケットレポートギリシャ総選挙で反財政緊縮派が勝利確実【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ギリシャ総選挙で反財政緊縮派が勝利確実【デイリー】

2015年1月26日

【ポイント1】急進左派連合が第一党確実

過半数獲得は微妙
■25日に投票が行われたギリシャ総選挙は、報道などによると、現野党である急進左派連合(SYRIZA)が第一党となり、過半数を制する勢いと伝えられています。サマラス首相が率いる新民主主義党は第二党に後退する見込みで、政権交代が確実な情勢です。

■ただし、ギリシャの政治制度では、議席が過半数に達しない場合などで組閣出来なければ、再選挙が実施されます。

【ポイント2】緊縮財政に反対

国民は緊縮疲れか
■今回の選挙の争点は、欧州連合(EU)などの金融支援の条件となっている緊縮財政の是非でした。SYRIZAは、現在の緊縮財政を見直し、債務軽減を支援側に要求することを公約としています。その他、最低賃金の引き上げ、低所得者層への優遇措置、解雇された公務員の一部復職など、財政の負担が増える政策を多く掲げています。

■これまでサマラス首相はEUなどの支援を得るために、緊縮財政に取り組んできました。しかし、5年にわたる緊縮財政に国民の不満が高まり、 SYRIZAへの支持の拡大につながりました。

【今後の展開】EUなどとの債務交渉を巡り、不透明感が残る

■SYRIZAが単独で過半数を獲得出来なかった場合には、他の政党との連立を模索することとなります。仮に、緊縮財政に反対する連立政権が発足することとなれば、これまでギリシャを支援してきたEUなどの支援側との対立が深まり、金融市場が不安定化する可能性もあります。

■EUなどはこれまで総額約2,000億ユーロ超の支援を約束し、順次支援を実行してきました。この2月末を期限にEUは18億ユーロの最後の金融支援を実施する予定となっており、その条件として、追加赤字削減を求めています。

■反緊縮派が政権を獲得した場合、EUとの交渉の難航が予想されます。仮に今回の18億ユーロの金融支援を受けられなかった場合、3月中旬以降の債務返済に支障をきたす可能性があるとの見方があります。いずれにしろ、次期政権がどのように信頼を回復していくか注目されます。

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