ホームマーケット日々のマーケットレポートユーロ圏の金融政策(2015年1月)  総額1兆ユーロ超の国債などの購入策を決定【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ユーロ圏の金融政策(2015年1月)  総額1兆ユーロ超の国債などの購入策を決定【デイリー】

2015年1月23日

【ポイント1】国債購入を開始

資産購入規模は予想を上回る
■欧州中央銀行(ECB)は22日、月600億ユーロの国債、欧州機関債などの購入を、少なくとも2016年9月まで継続する量的金融緩和を決定しました。この期間の資産購入総額は1兆ユーロを超えます。また、政策金利、預金金利は、それぞれ0.05%、マイナス0.20%に据え置くことを決定しました。なお、ギリシャなどの重債務国の国債も条件付きで購入対象となりました。

■今回の決定は事前予想を上回り、公表後、ユーロは対米ドルで下落しました。投資家のリスク回避姿勢も後退し、欧米の株価は上昇、国債の利回りは低下しました。

【ポイント2】物価目標の達成に危機感

これまでの緩和措置は不十分と指摘
■ECBは今回の決定の背景として、原油安などにより、予想外に物価が下振れし、ECBの2%近くとの物価目標の達成が危ぶまれること、昨年6月以降の金融緩和措置では低インフレに対処するには不十分だったことを挙げました。

■国債などの購入は3月から開始されます。総額1兆ユーロを超す資金が民間銀行を通じて経済全体に行き渡り、物価と景気に好影響をもたらすことをECBは期待しています。

【今後の展開】物価目標達成に向け、さらに緩和拡充の可能性も

■今回の措置は、昨年導入された長期リファイナンスオペ(TLTRO)などを主体とする量的緩和と比べて、大きな規模であり、ユーロ安を通じた輸出拡大などの景気への効果が期待されます。一方、原油価格には不透明感が残ることなどから、物価目標の達成には時間を要すると見られます。物価目標達成に向けさらに緩和を拡充する可能性もあると見られます。

■為替市場では、米ドルに対するユーロ安が見込まれます。円に対しては、日銀の強力な金融緩和などから、方向感が出にくいと見られます。

■債券市場では、金融緩和が長期化し、国債利回りは低位で推移するという見方が強まっています。

■株式市場では、金融緩和効果により、総じて堅調な展開が予想されます。

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