ホームマーケット日々のマーケットレポート2015年のユーロ圏経済の見通し  デフレを回避し、景気は持ち直しへ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

2015年のユーロ圏経済の見通し  デフレを回避し、景気は持ち直しへ【デイリー】

2014年12月18日

【ポイント1】2014年は緩慢な回復

物価は下振れ、デフレ懸念強まる
■2014年のユーロ圏経済は、欧州債務危機で混乱した2013年から緩やかに回復しています。しかし、ロシアや中東などの資源国・新興国の景気減速の影響を受け輸出が伸び悩んでいます。雇用環境の改善も緩慢で、消費や投資などの内需も勢いを欠いています。

■内需減速や原油価格の下落を受けて、物価上昇率は大きく低下しています。ECBは金融緩和を強化してきましたが、目標とする2%近くには届かず、デフレ懸念が強まっています。

【ポイント2】2015年は緩やかに持ち直しへ

企業収益回復が投資に波及
■2015年の景気は、+1.3%程度の成長への緩やかな持ち直しが予想されます。外需に期待が持てないなか、原油価格などの下落から企業収益が増加し、投資が緩やかに回復すると見込まれます。また、家計の購買力は強まるものの、雇用の改善は緩やかで、個人消費の回復は緩慢となる見通しです。

■内需の回復が緩やかで、エネルギー価格の下落の影響もあり、物価上昇率は1%程度にとどまる見通しです。

【今後の展開】ECBは国債買い入れへ、EUによる投資拡大は景気上振れ要因

■内需の回復が緩やかなため、ECBは金融緩和強化により、景気刺激とデフレ懸念払拭に努めることが予想されます。2016年6月までに目標とする1兆ユーロの金融緩和を達成するために、現行の資産購入は社債や国債に拡大されると見込まれます。

■財政の制約が厳しい各国政府に代わって、EUが投資を拡大する計画があります。計画の実現性には不透明な点もありますが、「欧州戦略投資基金(EFSI)」を通じた投資が軌道に乗るようであれば、景気の上振れ要因と思われます。

■為替は、金融政策の方向性の違いから、ドルに対してはユーロ安方向、対円では方向感が出にくいとみられます。

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