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【デイリー No.1,833】南アフリカの金融政策(3月) ~次回利上げの可能性が高まる~

2014年3月28日

<ポイント>
●南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は27日、政策金利(レポ金利)を5.50%に据え置くことを決定しました。
●金融政策委員の間では利上げの意見も根強く、中銀が5月の次回会合で利上げする可能性が高まりました。
●金利先高感を背景に、南ア・ランドは底堅い基調が当面続くと思われます。ただし、米国のQE3の縮小や新興国の景気減速などからランドが下振れする可能性には注意が必要と思われます。

1.市場予想通り政策金利を据え置き

 中銀は、前回1月29日の会合で約1年半据え置いた政策金利を0.50%引き上げ、5.50%としました。今回の会合についてブルームバーグがまとめた事前予想では22名のエコノミストのうち、17名が据え置きを予想(3名が0.25%、2名が0.50%の利上げを予想)しており、市場の大方の予想通りの決定となりました。

2.次回会合で利上げを実施する可能性が高まる

 今回の政策金利据え置き決定では、7名の政策委員のうち4名が賛成、3名が利上げを主張し、委員の間で意見が分かれました。中銀は、前回利上げの主な背景となった過去のランドの大幅な下落によるインフレへの影響を引き続き警戒しています。一方、消費の弱さなど景気にはぜい弱さが残るため、利上げを急ぐことにも慎重にならざるを得ません。こうしたことが委員の間で意見が分かれている背景です。
 中銀は、2014年の消費者物価指数の上昇率(平均)を前回と同様に前年比+6.3%とし、物価目標レンジ(同+3.0%~+6.0%)の上限を上回ると見込んでいます。金融引き締めが遅れる場合にはインフレ期待が上昇し、将来的により積極的な利上げが必要になるとの懸念を示したこともあり、中銀が次回の会合(5月20日~22日)で利上げを実施する可能性は高まりました。

3.今後の市場見通し

 中銀は、米国のQE3の縮小、新興国の景気減速などによる景気や物価への影響などを見極めながら、会合の都度、利上げの要否と幅を慎重に検討する姿勢と見られます。
 金利先高感を背景に、南ア・ランドは底堅い基調が当面続くと思われます。ただし、米国のQE3の縮小や新興国の景気減速などから、景気の下振れリスクが高まる場合には、ランドが下振れすることに注意が必要と思われます。

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