最近の指標から見る中国経済(2017年5月)
生産や投資が鈍化、過熱気味の景気は安定成長へ 【デイリー】
2017年5月15日
【ポイント1】固定資産投資の伸び鈍化

民間投資の伸びが減速
■中国国家統計局が15日に発表した1~4月の固定資産投資は前年同期比+8.9%と、1~3月(同+9.2%)から増加率が鈍化しました。市場予想(ブルームバーグ、+9.1%)を下回りました。
■固定資産投資全体の約6割を占める民間投資の伸びが同+6.9%と、1~3月(同+7.7%)から減速したことが伸び率鈍化の背景です。
【ポイント2】鉱工業生産の伸び鈍化

小売売上高も伸び鈍化
■同日発表された4月の鉱工業生産は前年同月比+6.5%と、3月(同+7.6%)から伸び率が大きく鈍化し、市場予想( ブルームバーグ、+7.0%)を下回りました。4月は、急加速した3月の反動もあると見られます。
■4月の小売売上高は前年同月比+10.7%と、3月(同+10.9%)から伸び率が鈍化しました。同指標も市場予想(同、+10.8%)をやや下回りました。
【今後の展開】過熱気味の景気は安定成長へ向かおう
■今月の主要経済指標は市場予想を下回るものが多く、中国経済の回復の動きが鈍化していることを示しました。ただし、4月の指標の減速は、強めに出た3月の反動もあると見られます。
■中国当局は、景気の過熱に伴うバブル発生を警戒しており、金融政策を引き締め気味に運営しています。1~3月にやや過熱した中国経済は緩やかに減速し、政府目標(6.5%程度)並みの安定成長へ向かうと思われます。