中国のPMI(2016年5月) 中国経済は安定成長へ 【デイリー】
2016年6月1日
【ポイント1】製造業PMIは横ばい

3カ月連続で50超え
■中国国家統計局と中国物流購入連合会が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1で前月から横ばいでした。景気判断の節目となる50を3カ月連続で上回りました。市場予想(50.0、ブルームバーグ集計)もやや上回りました。4月の鉱工業生産指数は前年同月比+6.0%と、3月(同+6.8%)からやや鈍化しましたが、中国経済が安定化しつつあることが示されました。
【ポイント2】非製造業PMIも横ばい圏

個人消費は底堅い動き
■5月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)は53.1でした。前月からは、横ばい圏ながら小幅低下していますが、景気判断の節目となる50を長期にわたり上回っています。個人消費は引続きしっかりとした動きです。4月の小売売上高は前月から鈍化したものの、前年同月比+10.1%でした。インターネット販売の伸びが成長を支えています。
【今後の展開】中国経済は政策対応により、安定成長へ
■中国では、3月以降、住宅ブームが強まり、景気モメンタムが想定以上に過熱する兆しが出ていました。党幹部は5月に、人民日報を通じて、過剰設備など供給面の構造問題が棚上げにされたことを批判し、景気の過熱に対し、予防的対応を図ったとみられます。
■中国政府は、景気の上振れ・下振れに対しては政策対応を行う意向を示し、景気安定を目指しているとみられます。製造業・非製造業PMIは、先行きの安定的な経済成長を示唆しており、経済政策が順調に機能しているといえそうです。