ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る中国経済(2015年6月)  追加金融緩和で徐々に景気加速へ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る中国経済(2015年6月)  追加金融緩和で徐々に景気加速へ【デイリー】

2015年6月23日

【ポイント1】政策効果が徐々に浸透

生産は2か月連続の改善
■5月の製造業PMI(購買担当者景況感指数)は50.2と前月から改善しました。生産は前年同月比+6.1%と前月から伸び率が上昇しました。金融緩和などの政策効果が製造業では徐々に表れ始めたと見られます。

■5月の非製造業PMIは53.2と低下しましたが、好悪の境目となる50を上回る状況が続いています。小売売上高は、前年同月比+10.1%と伸び率の低下が止まりつつあります。また、全体に占める比率が1割強程度のeコマースでの小売売上高は、5月は年初来累計で前年同期比約39%増加し、高い成長を見せている分野も見られます。

【ポイント2】輸出の減少傾向も弱まる

輸入は内需減速から低迷
■5月の輸出額は人民元建てベースで前年同月比▲2.8%と前月から減少幅が縮小しました。米国向けの輸出の伸びが寄与しました。一方、輸入は同▲18.1%と内需減速による低迷が続いています。

■政府は生産性の低い製造業分野のウェイトを低め、付加価値の高い分野へシフトする構造転換を積極的に進めています。生産性の低い業種は、多くの資源を輸入に頼る場合も多く、輸入の抑制傾向は今後も続くと予想されます。

【今後の展開】追加金融緩和などの政策効果により、成長目標達成が期待される

■今年の政府目標は「新常態」の実現です。そのため、経済構造の改革を推進し、これまでのような規模の大きな財政支出による景気テコ入れには消極的でした。国有企業改革や許認可の簡素化など、市場の効率性を活用した産業政策により重きを置いた政策の拡大が見込まれます。

■足元の成長率は、今年の目標である+7.0%前後を下回っていると見られます。来年から始まる次期5カ年計画を見据え、目標達成への圧力が高まると見られ、追加金融緩和などによる景気テコ入れにより、バランスのとれた安定成長が期待されます。

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