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最近の指標から見る中国経済(2015年4月)  景気下振れで、政策期待がさらに高まる【デイリー】

2015年4月21日

【ポイント1】1-3月期は7%成長にとどまる

小売、投資、輸出はともに下振れ
■1-3月期のGDP成長率は前年同期比+7.0%と鈍化しました。小売売上高は、3月までの年初来累計で前年同期比+10.6%、同じ期間の固定資産投資(除く農村部)は同+13.5%、鉱工業生産は同+6.4%といずれも昨年の実績を下回り、景気が下振れています。

■1-3月(年初来累計)の輸出は、米ドル建て名目ベースで、前年同期比▲15.0%となりました。輸出は2月までは比較的好調でしたが、3月に世界経済の減速の影響などを受けました。同じ期間の輸入は内需の鈍化から同▲12.7%でした。

【ポイント2】不動産市場は改善の兆し

政策効果により、改善が本格化へ
■不動産市場は、金融緩和などの政策効果により、大都市では底入れの兆しが出ています。主要70都市の販売用新築住宅価格指数は、前月比上昇した都市が12都市と2月の2都市から大幅に増えました。3月にセカンドハウス取得規制が緩和され、改善が本格化する期待が高まっています。

【今後の展開】追加金融緩和、財政、成長戦略など、景気刺激への期待高まる

■中国人民銀行は、4月20日から預金準備率を引き下げ、18.5%(大手行)としました。現行5.35%の政策金利(貸出基準金利1年物)や預金準備率には今後の引き下げ余地があると見られます。景気がさらに下振れた場合には、金融機関の融資拡大や企業の資金調達コストの引き下げを狙い、追加金融緩和が期待されます。

■政府は、金融緩和に加えて、規制緩和や新産業育成などの成長戦略を推進することが期待され、財政支出の拡大も見込まれます。ITや先端産業を活かして付加価値の高い産業を育成し、労働集約的な経済構造の改革を目指しています。

■自由貿易試験区設置による輸出拡大や現代版シルクロード(一帯一路)の構築によるインフラ投資拡大も今後期待されます。年内の稼働開始予定のアジア・インフラ投資銀行(AIIB)構想とあわせて、中長期的な成長を支えると見られます。

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