ホームマーケット日々のマーケットレポート中国は預金準備率を1%引き下げ、景気テコ入れへ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

中国は預金準備率を1%引き下げ、景気テコ入れへ【デイリー】

2015年4月20日

【ポイント1】1%は通例の2倍の引き下げ幅

3月の政策金利引き下げに続く緩和
■中国人民銀行(中央銀行、以下、人民銀)は19日、今年2回目となる預金準備率の引き下げを決定しました。20日から大手行向けを1.0%引き下げ18.5%としました。1.0%の引き下げは、通例の0.5%の変更の2回分に相当します。

■預金準備率は、銀行が中央銀行に預ける資金の比率で、その引き下げは銀行が貸し出しに回せる資金に余裕が出る効果があります。今回の引き下げにより、1.3兆人民元(約25兆円)程度の資金が市場に供給されると見られています。

【ポイント2】景気下振れに対応

1-3月期のGDPは7.0%と低調
■今回の措置の狙いとして二つのことが考えられます。ひとつは、景気下振れへの対応です。1-3月期の実質GDPは前年同期比+7.0%と前四半期の同+7.3%から減速しました。二つめは、資金需要の高まりが想定されていたことです。4-6月期に地方政府債の借り換えが集中し、それに対処する必要性が高まっていました。

■市場では、追加の金融緩和が行われるとの観測が強まっていたため、引き下げ幅を除いて、大方の市場の見方に沿う内容でした。

【今後の展開】企業の資金調達コスト軽減のため、さらに金融緩和が期待される

■企業の資金調達環境は、今回の措置により改善に向かうと見られます。しかし、足元の景気の鈍化を和らげるため、企業の資金調達コストをさらに軽減する必要があると見られます。

■中国の株価指数(上海総合指数、H株指数)は、4月20日(日本時間の15:00時点)で、それぞれ、年初来約31%、約18%上昇しています。足元の上昇ペースが速いことへの警戒感は残りますが、構造改革の進展による中期的な企業の競争力向上に加えて、追加金融緩和期待が当面は株式市場を支えると見られます。

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