中国株式市場の見通し 産業構造変化への期待から、株価上昇【デイリー】
2015年4月15日
【ポイント1】中国株式の上昇が加速
H株は年初来約19%上昇
■中国株式市場は、足元で上昇が加速しています。香港で取引されるハンセン中国企業株指数(H株指数)は、4月13日に約6年11カ月ぶりに高値を更新しました。年初から4月14日まででは、約19%上昇しました。足元の上昇には、中国本土から香港市場への株式の投資規制が緩和されるとの報道も影響しています。
■上海総合指数は、4月14日におよそ7年1カ月ぶりの高値を更新し、年初来で約28%上昇しました。

【ポイント2】高まる政策期待
サービス業主導の経済へ
■上昇の背景は、政策期待の高まりです。3月に開催された全国人民代表大会(全人代)では構造改革を一層進め、サービス業が主導する経済への転換を加速する方針が示されました。経済全体に占める比率で、第二次産業を既に上回った第三次産業の成長を高めて、比較的高い成長を目指す政策に重点が置かれると見られます。
■全人代以降、第三次産業の成長を加速させる政策などが相次いで公表されています。「個人向け住宅ローンの融資規制緩和」では、不動産市場の下支え・テコ入れが期待されます。「預金保険制度」導入により、金融自由化を一層進める姿勢が示され、金融業の成長加速が期待されます。

【今後の展開】次期5カ年計画でも、サービス業の成長力が注目
■来年始まる次期5カ年計画では、サービス業の拡大が引き続き重要目標になると見込まれます。今年の全人代で李首相が強調したこともあり、IT技術を活用した先端産業や新興産業を振興する政策が今後具体化し、中期的な成長が上向くことが見込まれます。
■一方、足元では、消費や投資などが減速しており、期待先行で上昇した株価への警戒も高まっています。しかし、これまでの利下げが小幅であったことから利下げ余地も残り、景気下振れには景気刺激策が見込まれ、中期的な成長期待とあわせて、株価を支えそうです。