中国株式市場の最近の動向 政策期待から株価上昇【デイリー】
2015年4月2日
【ポイント1】上海総合指数は高値更新
H株指数も年初来約5%上昇
■中国株式市場は、足元上昇傾向となっています。上海総合指数は、4月1日におよそ7年ぶりの高値を更新し、年初来では約18%上昇しました。
■香港で取引されるハンセン中国企業株指数(H株指数)は、同約5%上昇しました。

【ポイント2】政策期待に反応
景気下振れ懸念が重石にも
■上昇の背景は、政策期待の高まりです。3月に開催された全国人民代表大会(全人代)で構造改革を一層進める方針が決定され、追加金融緩和や財政支出の拡大、成長戦略への期待が高まっています。
■特に、上海総合指数は、中国の投資家が主体であることから、全人代での今年度の活動方針の決定以降、各省庁や地方政府が公表する方針や具体策から、今後の改革への期待が高まり、株式市場の上昇ペースが加速しました。
■一方、H株指数に投資するグローバルな投資家は、足元の景気下振れなどの懸念から、本土投資家よりも慎重と見られ、株式指数の年初来の上昇率は上海総合指数を下回りました。

【今後の展開】企業業績の改善、景気下振れ懸念の緩和、追加金融緩和に期待
■全人代では、新常態を目指す成長戦略の一つとして、労働集約的な製造業からITや先端技術を活用した付加価値の高い製造業への転換を狙う、「製造強国」計画が公表されました。今後、こうした構造改革の進展が企業業績の改善などに反映することが期待されます。企業業績が実際に上向くことが、株価上昇持続のポイントと見られます。
■H株指数に投資するグローバルな投資家にとっては、小売や生産などの経済統計の改善による、景気下振れ懸念の緩和が重要と見られます。追加金融緩和や積極的な財政支出の拡大も投資家心理の改善に貢献すると見られます。一方、高値を更新した上海株価指数は、これまでの上昇ペースが速かったため、短期的には高値警戒感が強まることも想定されます。