中国、政策金利引き下げ、一段の金融緩和へ【デイリー】
2015年3月2日
【ポイント1】預貸金利ともに0.25%引き下げ
金利自由化も一歩進める
■中国人民銀行(中央銀行)は28日、およそ3カ月ぶりに、政策金利である預金と貸出の基準金利(期間1年)の引き下げを決定しました。3月1日からともに0.25%引き下げ、それぞれ2.50%、5.35%としました。
■また預金金利の上限を従来の基準金利の1.2倍から1.3倍に拡大しました。銀行の決められる預金金利の幅を拡大し、金利の自由化を進めました。

【ポイント2】昨年11月以降、3回目の緩和
足元での一段の景気減速に対応
■今回の利下げは、昨年11月の利下げ、2月の預金準備率の引き下げに続く金融緩和措置です。内需の減速に対して、金融面から景気のテコ入れをねらったものと見られます。
■2月の製造業購買担当者指数(PMI)は、49.9と好悪の判断の境目となる50を2カ月連続して下回りました。また、商務省公表の今年の春節期間中の消費額は、前年同期比+11%とここ数年で最低の伸び率となり、景気の減速感が一段と増していました。

【今後の展開】追加景気刺激策への期待が高まる
■3月5日から全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催され、「新常態」を目指す2015年の政府方針が決定される予定です。全人代前に利下げが決定されたのは、全国から地方政府の指導者が集まる前に金融緩和を実行し、彼らの不満を和らげるねらいもあったと見られます。地方を含めて足元の景気減速がやや大きく、利下げを急ぐ必要も背景にあったと考えられます。
■全人代では、2015年の成長率目標を「7%前後」に引き下げ(2014年目標は7.5%前後)、過剰な生産能力の削減や不動産市場の投機的な動きの抑制を続ける見込みです。そのため、追加の金融緩和や中小零細企業への優遇策、インフラ投資、成長産業育成をねらった産業振興策などの景気刺激策が全人代後にも続くとの期待が高まっています。
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