中国株の下落について 大手証券への信用取引口座の開設停止処分で大幅下落【デイリー】
2015年1月19日
【ポイント1】過熱気味に上昇後急落
上海総合指数は前日比約▲8%
■1月19日の中国株式市場は急落しました。報道などによると、中国証券監督管理委員会は16日の取引終了後、大手証券会社3社に対し、信用取引等の口座開設を3か月停止すると発表しました。3社による規定違反があったとしています。また、別の証券数社に対しては、警告が出されています。これらの発表を受けた最初の取引日となる19日、上海総合指数は前日比約▲8%、香港市場では、ハンセン中国企業株指数が同約▲5%の大幅下落となっています。

【ポイント2】投機的取引の抑制がねらい
全業種が大きく下落
■このところ中国株式市場は、景気対策や金融緩和への期待などから、信用取引が大きく膨らむなかで上昇してきました。上海総合指数は昨年6月末から今年1月16日まで60%以上上昇しています。今回の措置は過熱気味の市場に対して一部の投機的な取引を抑制するねらいがあったものと見られます。
■業種別の値動きを見ると、売買が全般に制限されるとの思惑もあり、下落は金融のみならず全業種にわたっています。

【今後の展開】市場の過熱感が落ち着けば、企業業績の拡大に沿った展開へ
■今回の措置は、投機的な取引で過熱気味に推移していた市場をけん制するほか、健全な株式市場の育成を目的としているとの見方もあります。また、今回の措置で新規の口座開設が滞ったとしても、口座開設済みの大口顧客への影響は限定的との見方もあります。市場の過熱状態には引き続き当局のけん制が入る可能性はありますが、全体としては影響は限定的と考えられます。
■株式市場は、足元の過熱気味の状況が落ち着けば、景気と企業業績の拡大に沿って堅調な展開となることが期待されます。