アジア・オセアニアの株式市場(2016年10月)
相対的な割安さが目立つ。今後は利益成長を織り込みへ 【デイリー】
2016年10月14日
【ポイント1】足元で反発

懸念が徐々に薄らぐ
■アジア・オセアニア株式は、2015年後半から2016年初めにかけて調整しました。米国の利上げ観測の高まりや原油価格の大幅な下落などが背景です。また、アジア・オセアニア企業の収益も、中国の景気減速などを背景に、2014年4-6月期をピークに低下基調となりました。
■その後、米国の利上げが慎重なペースになるとの期待や新興国からの資本流出が回避されるとの見通しから、新興国に対する懸念が徐々に薄らぎ、アジア・オセアニア株式市場は堅調さを取り戻しました。
【ポイント2】相対的な割安さが目立つ

厚めの配当利回りが下支え
■株価が堅調に推移していることで、株価収益率などのバリュエーション(株価評価)指標は上昇しました。配当利回りは昨年3%台でしたが、株価の上昇により、足元では2%半ばの水準まで低下しました。それでもバリュエーションを見ると、アジア・オセアニアの株式市場は、他の市場に比べて相対的に割安さを示すものが多いのが特徴です。
【今後の展開】企業業績に回復の兆し。利益成長を織り込む展開へ
■米国の利上げは非常に緩やかなペースとなる見込みです。米利上げ前後で新興国の株式市場が不安定化する局面がないとは言えないものの、経常収支などファンダメンタルズは改善しています。1株当たり利益も4-6月期を底に上向き始めており、17年の増益率は+11.0%(FactSet)と予想されます。アジア・オセアニア株式市場は利益成長を織り込む展開となる見通しです。
関連マーケットレポート
- 日々のマーケットレポート