ホームマーケット日々のマーケットレポートインド中央銀行新総裁決定 ラジャン総裁の右腕であるパテル副総裁が昇格/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

インド中央銀行新総裁決定
ラジャン総裁の右腕であるパテル副総裁が昇格 【デイリー】

2016年8月22日

【ポイント1】ウルジット・パテル総裁誕生

金融政策の継続が見込まれる

■インド政府は、20日、9月4日で任期が満了するラジャン・インド準備銀行(中央銀行、RBI)総裁の後任に現RBI副総裁のウルジット・パテル副総裁を任命しました。パテル副総裁は、金融政策担当副総裁として3年間ラジャン総裁を支え、インフレ・ターゲット導入、金融政策委員会(MPC)創設などに尽力しました。

■ラジャン総裁退任後も金融政策決定の枠組が出来ていることから、誰が新総裁に就任しても現状からの大幅な路線変更はありません。しかしながら、ラジャン総裁の下、金融政策実務を担ったパテル副総裁の昇格はそれを決定したモディ政権による現行の金融政策継続への信任を意味し、従来通りの緩和的な金融政策が継続されると見込まれます。

【ポイント2】新たに始まる金融政策委員会に注目

6人の委員の人選に注目

■ラジャンRBI総裁が前回の金融決定会合後の記者会見で示唆したように、10月4日からMPCによる金融政策の決定が行われると見られます。パテルRBI新総裁の下、新たに始まるMPCが注目されます。

■MPCは、6人の委員による多数決で金融政策を決定します。委員の構成は、3人がRBIから選任され(総裁、副総裁と1名) 、残りの3人は、独立した委員会が経済の専門家や金融業界から人選をし、政府に提案し、最終的に政府が決定します。

■総裁は票が割れた場合の最終決定権を持つものの、金融政策の決定は従来の様な総裁の専権事項ではなくなります。従って、金融市場では、これから10月にかけてパテル新総裁以外の委員の人選が注目されると思われます。

【今後の展開】RBIの金融緩和継続と良好なモンスーンでインド市場は堅調に

■ラジャンRBI総裁の右腕として実務を支えたパテルRBI副総裁の新総裁就任は、ラジャン総裁の路線が継承されると言う安心感から金融市場では歓迎されると予想されます。

■順調なモンスーンによるインフレ低下期待とパテル新RBI総裁による金融緩和政策継続が見込まれることから、インド債券や株式市場には好材料となりそうです。

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