アジア・オセアニアのリート市場の最近の動向(2016年7月)
底堅い推移が続こう 【デイリー】
2016年8月9日
【ポイント1】グローバル市場は大幅上昇

為替はほぼ中立要因
■7月のグローバル・リート市場は、現地通貨ベースで+5.0%の上昇となりました。前月の英国のEU離脱選択に伴う過度なリスク回避姿勢が後退する中で、原油価格の下落などから長期金利の上昇懸念が後退し、全般に堅調な推移となりました。
■為替は日本の政策期待などで円安基調で推移しましたが、月末の日銀の追加緩和策が市場の期待を下回ったことで円が急伸し、月間では若干の円安にとどまりました。この結果、円ベースのグローバル・リート市場は+5.4%の上昇となりました。
【ポイント2】豪州、香港が大幅に上昇

金融緩和が背景
■アジア・オセアニア地域を現地通貨ベースで見ると、月間でオセアニアが+5.5%、アジアが+3.2%の上昇となりました。
■オセアニアは、豪州の国内景気が堅調な一方、消費者物価指数の伸び率が過去最低に鈍化、追加利下げ期待を織り込みながら上昇しました。総選挙で与党が下院の過半数を確保したのも安心材料でした。アジアでは、香港で長期金利が2013年以来の1%割れとなったことなどが好材料となり、リート市場は大きく上昇しました。
【今後の展開】アジア・オセアニアの相対的に堅調なファンダメンタルズが支える
■アジア・オセアニアのリート市場は、米欧中の景気動向や金融政策などの外部環境の影響を受けると見られますが、中期的には域内の相対的に堅調なファンダメンタルズを背景に、底堅い推移が予想されます。
■豪州では、8月2日に市場の予想通り、政策金利が引き下げられましたが、インフレ率は低位にあり、金融政策はしばらく緩和のバイアスがかかると見られ、リート市場には追い風となることが予想されます。