豪中銀、政策金利を据え置き、豪ドルは底堅い展開へ 【デイリー】
2016年7月5日
【ポイント1】過去最低の1.75%を維持

インフレ見通しも維持
■豪州準備銀行(RBA)は7月5日に開催した金融政策決定会合で、政策金利を1.75%に据え置くことを決定しました。ブルームバーグ社の集計によると、27名のエコノミスト全員が据え置きを予想していました。
■RBAは、注視する消費者物価の最新データの公表が7月下旬に予定されていることなどを考慮したと考えられます。
【ポイント2】当面、据え置きの見通し

声明文は前回から大きな変化なし
■先行きの金融政策スタンスについては、前回、前々回に続き今回も特に言及はありませんでした。
■豪州経済は、雇用の改善による個人消費の増加を支えに緩やかな拡大基調を維持する見込みです。一方、景気の拡大、賃金の下げ止まりなどから、インフレ率の低下には歯止めがかかると予想されます。
■英国の欧州連合(EU)離脱が世界経済、金融市場に及ぼす影響については、限定的との見方を示しました。以上を総合すると、政策金利はしばらく据え置かれると考えられます。
【今後の展開】豪ドルの対円相場は底堅い展開へ
■据え置きは市場に織り込まれていたため、会合直後の豪ドルは対米ドル、対円とも小動きとなっています。
■やや長い期間で見ると、米国の利上げ先送りで豪ドルの対米ドル相場は、上昇傾向にあります。一方、対円では、「質への逃避」の動きの強まりから円が買われ、下落しています。しかし、先進国の中では豪州金利が相対的に高いことを踏まえると、今後、「質への逃避」の動きが後退するにつれ、豪ドルの対円相場は底堅く推移すると予想されます。