ホームマーケット日々のマーケットレポート豪州の総選挙(2016年7月) 下院は与野党とも過半数に達せず/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

豪州の総選挙(2016年7月)
下院は与野党とも過半数に達せず 【デイリー】

2016年7月4日

【ポイント1】下院は与野党接戦

与党・保守連合の勢力が後退

■2016年7月2日に投票が実施された豪州の総選挙は、即日開票されました。

■豪州選挙管理委員会が発表した日本時間7月4日12時52分現在の獲得議席数は、下院150議席のうち、ターンブル首相の率いる与党・保守連合が67議席(自由党40議席、自由国民党18議席、国民党9議席)、労働党71議席、緑の党1議席、その他5議席、未確定6議席となっています。選挙前の議席数は保守連合90(自由党58、自由国民党22、国民党9、その他1)、労働党55、緑の党1、その他4でした。

【ポイント2】事前予想に届かなかった与党

無所属議員の囲い込みへ

■投票前は与党圧勝との見方もありましたが、緊縮策の行き過ぎや、資源ブーム終焉後の経済の立て直しを、うまく進められなかったことなどから、保守連合への批判票が予想外に多く出たもようです。

■与党、野党とも過半数の76議席を獲得できなかったため、今後は無所属議員の囲い込みに入ると見られます。

【今後の展開】政治的な不透明感が強まる

■与党保守連合が政権を維持するためには、下院で少数政党や無所属議員に対する連立工作を行う必要があり、失敗すれば政権交代となります。また、連立に成功しても、少数与党での政権運営を強いられる可能性があります。その場合、政局運営に困難をきたすと見られます。

■上院(定数76)は、もともと与党が過半数を下回っていましたが、今回の選挙でも過半数に達するのは困難なもようです。豪州は上院の権限が強く、予算案の拒否権を持つため、与党が政権を維持したとしても、労働党の反対する企業減税などを盛り込んだ新年度予算には修正が加わる見通しです。

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