ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見るインド経済(2016年6月) 平年以上の雨量が見込まれ、年後半景気は上向きへ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見るインド経済(2016年6月)
平年以上の雨量が見込まれ、年後半景気は上向きへ 【デイリー】

2016年6月15日

【ポイント1】生産は前年比マイナスに転換

年後半景気は上向きへ

■16年4月の鉱工業生産指数は前年同月比▲0.8%と3カ月ぶりのマイナスに転じました。資本財と非耐久消費財が減少しました。非耐久消費財は、干ばつで消費者の購買意欲が減退したことが、生産の押し下げ要因になったと考えられます。一方、16年5月の製造業の景況感は50.7と前月の50.5とほぼ同水準となり、悪化していません。

■今後は、公務員賃金の引き上げに加え、モンスーンにより、景気回復が見込まれます。平年以上の降雨が農村部に居住する消費者の購買意欲を回復させると期待されます。年後半の景気は消費の回復を背景に上向くと見込まれます。

【ポイント2】物価は2カ月連続で上昇

引き続き食品価格の上昇が寄与

■16年5月の消費者物価指数は前年同月比+5.76%と2カ月連続で上昇し、インド準備銀行(RBI、中央銀行)が金融政策の目標とするレンジ(+2%~+6%)の上限に近づきました。品目別では、前月に続き、食品の中の野菜の伸びが前年同月比+10.8%と加速したことも要因です。干ばつが主因と思われます。

【今後の展開】政策金利は年内据え置き

■今年のモンスーン期(6-9月)は平年以上の雨量が見込まれています(気象庁は平年比+6%、民間予報機関は同+9%の予想)。予想通り雨が降れば、食品インフレは鈍化すると思われます。

■第7次公務員給与委員会の人件費引き上げ勧告による住居費の上昇や、内需拡大を背景に、基調的なインフレは年後半にかけて高まっていく見通しです。ただ、食品インフレが鈍化することによって物価はレンジ内での推移が可能と思われます。政策金利は年内据え置かれると考えられます。

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