最近の指標から見るインド経済(2016年4月)
インド経済は堅調に推移:インド市場に追い風
2016年4月15日
【ポイント1】生産は前年比プラスに転じた

企業の景況感にも明るさ
■16年2月の鉱工業生産指数は前年同月比+2.0%と、4カ月ぶりにプラスとなりました。堅調な内需に加え、昨年11月の南部での洪水の影響が和らいできたことが改善の主因と見られます。
■製造業の景況感は16年1月に好不況の境目である50を回復、3月は更に改善し52.4となりました。今後も堅調な内需を反映して、増加基調で推移することが見込まれます。
【ポイント2】物価上昇率は低下

今後も落ち着いた推移が見込まれる
■16年3月の消費者物価指数は前年同月比+4.83%と、前月の同+5.26%から低下しました。野菜など食品価格の上昇幅縮小が、主な低下要因です。前年比の伸びが低下したのは2か月連続となります。
■物価は、景気拡大ペースが緩やかなことなどから落ち着いた動きになると考えられ、RBIの目標レンジ(年+4%±2%)内で推移しそうです。今後見込まれている公務員給与の引き上げ幅や、モンスーン期における降水量によってはインフレが上振れるリスクがあります。
【今後の展開】堅調な経済、落ち着いたインフレはインド市場に追い風
■インド経済は、今後も低金利や所得の伸びに支えられた消費主導での堅調な成長が続く見込みです。インフレ率が落ち着いて推移すると見られますので、金融政策も緩和的な状況が続くと考えられます。
■一方、政府は財政規律を維持すると見られます。堅調な経済、落ち着いたインフレ、緩和的な金融政策、財政規律の尊重は、インド国債、株式、通貨ルピーのそれぞれに好材料となると考えられます。