インドの金融政策(2016年2月) 政策金利を据え置き、財政次第で追加利下げの可能性を残す【デイリー】
2016年2月3日
【ポイント1】6.75%に据え置き
市場予想通りの決定
■インド準備銀行(RBI、中央銀行)は2日、政策金利(レポ金利)を6.75%に据え置くことを発表しました。
■政策金利は、昨年9月に0.50%引き下げられて以降、12月の会合に続く据え置きとなり、大方の市場予想通りの決定となりました。

【ポイント2】現行の金融政策は緩和的
物価は安定、景気は緩やかと認識
■RBIは、消費者物価指数は予想通りに推移し、今年1月(12日に発表予定)の物価目標(前年比+6%以下)を達成できたと見ています。また、野菜などの作柄、原油価格、インドルピーが安定的に推移すれば、17年度(16年4月~17年3月)末までに年+5%程度に落ち着くと予想しています。
■景気については、サービスなどの消費が堅調で回復基調をたどると見ているものの、輸出や投資に弱さが見られるとしています。RBIは、現状の金融政策を緩和的と認識しており、今回も政策金利据え置きが適切と判断しました。

【今後の展開】2月末に発表予定の政府予算案を見極め、追加利下げの可能性
■RBIは、景気回復を確かなものとするため、財政再建や構造改革を通じた投資促進などが必要との考えを示しました。2月末に17年度予算案の発表が予定されており、政府に答申されている公務員給与等の引き上げ(総額で従来比+23.6%)がどのように反映されるか見極めることも、今回の政策金利据え置きの背景になったようです。
■人件費上昇は財政を圧迫し、物価を押し上げるため、実施を多年度に分散させるなどの措置が期待されます。予算案で政府が人件費上昇の影響を抑え、高水準の公共投資を確保しながら、中期的な財政再建に道筋を示すことができれば、RBIが次回会合(4月5日の予定)で追加利下げを実施し、景気を下支えする可能性が高まると思われます。