トルコの金融政策(2016年1月) 政策金利を据え置き、金融引き締めスタンスを維持【デイリー】
2016年1月20日
【ポイント1】市場予想通り据え置き
金融引き締めスタンスを維持
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は19日、市場の大方の予想通り、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限を10.75%に、下限を7.25%に、それぞれ据え置くことを発表しました。
■中銀は、2014年1月に通貨防衛のため大幅に利上げして以降、利下げを限定的にとどめており、金融政策は引き締めスタンスにあるとしています。

【ポイント2】様子見姿勢を継続へ
物価高と景気減速の両方を警戒
■12月の消費者物価指数は前年同月比+8.81%と、中銀の目標である+5%を大きく上回っています。また、市場では1年後も+8%近くで高止まりが続くと見られています。
■一方、テロなどによる観光産業への不安もあり、景気は減速傾向と見られます。
■物価高と景気減速の両方に配慮が必要な状況下、金融政策には手詰まり感が強く、中銀は様子見姿勢を当面続けると思われます。

【今後の展開】リラは上値の重い展開か
■足元では、米国の利上げ、隣国シリアを巡る地政学リスクの高まり、中国の景気不透明感などからトルコリラ安が進んでおり、物価が高止まりするリスクは強まっています。
■そうしたなか、中銀は景気を重視する与党公正発展党(AKP)政権への配慮から、利上げをしにくいとの見方があります。景気や中銀の独立性への懸念から、リラは上値の重い展開が当面続きそうです。
