最近の指標から見る豪州経済(2015年9月) 民間消費の拡大を支えに緩やかな回復を持続【デイリー】
2015年9月16日
【ポイント1】4-6月期の成長率は鈍化
輸出の不振を消費がカバー
■2015年4-6月期の実質GDP成長率は、前期比+0.2%となり、1-3月期の同+0.9%から減速しました。鉄鉱石や石炭等の資源輸出の大幅な減少と、それによる設備投資の低迷が主因です。
■他方、良好な雇用環境を背景に民間消費は拡大を持続しました。民間消費は、7月も小売売上高が前年比+4.2%になるなど、堅調を維持しています。

【ポイント2】物価は低位で安定
政策金利は4会合連続据え置き
■4-6月期の消費者物価指数は、前期から伸び率が高まりました。ただ、水準は豪州準備銀行(RBA)の物価目標を下回っています。今後も、賃金上昇率や原油価格が低位にあることから、安定的に推移する見込みです。
■RBAは、9月1日の会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。4会合連続の据え置きです。緩やかな景気回復と低インフレの持続により、過去最低の政策金利は当面据え置かれそうです。

【今後の展開】景気は緩やかな回復を持続、豪ドルは徐々に底堅い推移へ
■景気は、輸出、設備投資の低迷を民間消費、住宅投資の堅調さが補い、緩やかな回復が持続する見通しです。雇用環境は、企業景況感の改善などから、良好な状況が続くと予想されます。
■インフレは、失業率が高水準なことや資源価格の下落などから当面低位で推移する見込みです。
■豪ドルの対円レートは、豪州の景気回復の持続見通し等から、底堅い推移が予想されます。