豪ドルの足元の状況と今後の見通し(9月) 中国の景気減速懸念の後退につれ、底堅い展開へ【デイリー】
2015年9月9日
【ポイント1】豪ドルは足元で反発
鉄鉱石価格も底入れ
■豪ドル円レートは、6月下旬以降、中国株式市場の下落などから下げ足を速めていましたが、中国株式市場が下げ止まるにつれ、足元で反発の兆しを見せています。鉄鉱石価格が上昇に転じたことも、豪ドルの下支え要因になっていると考えられます。

【ポイント2】豪州経済は緩やかな回復
日豪金利差は安定の見通し
■4-6月期の実質GDP成長率は、前年同期比+2.0%と、豪州中銀(RBA)の想定通りでした。
■これまでの利下げ効果などから、豪州経済は内需を中心に緩やかな回復を持続する見通しです。一方、インフレは、高水準の失業率や資源価格の下落などから当面低位で推移すると予想されます。
■豪州の金利低下により縮小傾向にあった日豪金利差は、豪州の政策金利が当面据え置かれる見通しであることに加え、日銀の金融緩和の継続もあり、当面安定的に推移すると見られます。

【今後の展開】豪ドルは堅調な推移へ
■豪ドルの対円レートは、日豪金利差が安定してきたこと、資源価格が底堅さを取り戻してきたこと、豪州の景気回復が持続する見込みであることから、底堅い推移が予想されます。中国景気の動向には注意する必要がありますが、中国政府・当局は景気対策や金融緩和により景気を支えると予想され、豪ドルへのさらなる影響は限定的と考えられます。
