豪中銀、3会合連続の政策金利据え置き【デイリー】
2015年8月4日
【ポイント1】過去最低の2%に据え置き
インフレ見通しも維持
■オーストラリア準備銀行(RBA)は4日、政策金利を2.00%に据え置くことを決定しました。ブルームバーグ社の集計によると、28名のエコノミストのうち25名が据え置きを予想していました。
■RBAは、前回会合同様、今後の経済や金融環境を見て現状の金融政策が適切か判断していくとしています。
■インフレについては、労働コストの上昇が非常に緩慢なため、「向こう1~2年はインフレ目標に沿う」との予想が維持されました。

【ポイント2】為替は豪ドル高へ
金利据え置きで豪ドルが買われる
■政策発表後の為替市場の反応は、豪ドル高円安でした。本日の午前中は90.0~90.5円のレンジで取引されていましたが、会合終了直後に91円超まで上昇しました。中国の景気減速懸念は残るものの、ギリシャ問題が峠を越えたことから、豪ドルは対円で堅調な推移が見込まれます。
■RBAは、前回までの 「豪ドルはまだ下落する必要がある」という文言を削除し、「資源価格の大幅な低下に対して調整している」としました。豪ドル高の修正が進んだことを示唆しています。

【今後の展開】政策金利は当面据え置き、豪ドルは徐々に底堅い推移へ
■景気は、これまでの利下げ効果などから、消費と住宅投資がけん引し緩やかに回復する見通しです。RBAは、前々回会合の議事録で、景気は過去のトレンド成長を当面下回るが、「2016年前半に向け上向く」と予想しています。今回もこの見方が踏襲されたと見られます。
■インフレは、失業率が高水準なことや資源価格の下落などから当面低位での推移が見込まれます。
■緩やかな景気回復と低インフレが見込まれ、過去最低の政策金利も当面据え置かれそうです。
■株式やリートは、世界的な景気拡大を背景とした企業収益の拡大や豪州の緩和的な金融環境に支えられ、底堅く推移すると見られます。
■豪ドル円レートは、日銀の金融緩和を背景に日豪金利差が維持されていることなどから、徐々に底堅い推移になると思われます。