豪ドルの足元の状況と今後の見通し 中国の景気減速懸念が落ち着くにつれ、底堅い推移へ【デイリー】
2015年7月10日
【ポイント1】豪ドルは足元で反発
中国景気の懸念が鉄鉱石価格にも
■豪ドル円レートは、6月下旬以降、中国株式市場の下落やギリシャ問題の不透明感などから下げ足を速めていましたが、中国株式市場が反発するにつれ、足元で反発しています。
■豪ドルの動きは、このところ鉄鉱石価格の動きと連動性を高めています。中国の景気に対する不透明感が鉄鉱石価格の下落の背景にあり、こちらも足元で中国株の動きにつれ反発しています。

【ポイント2】豪州景気は緩やかな回復
利下げ観測後退で、金利差維持へ
■豪州の景気は、これまでの利下げ効果などから、消費と住宅投資がけん引し緩やかに回復しそうです。RBAは、「2016年前半にかけて上向く」と見通しています。インフレは、失業率が高水準なことや資源価格の下落などから当面低位での推移が見込まれます。緩やかな景気回復と低インフレが見込まれ、過去最低の政策金利は当面据え置かれそうです。
■資源価格の下落などを背景に豪州の金利が低下し、日豪金利差は低下傾向にありました。豪州の利下げ期待が一旦後退したことに加え、日銀の金融緩和の継続もあり、日豪金利差は、当面安定的に推移しそうです。

【今後の展開】豪ドルは底堅い推移へ
■中国の景気減速で、資源価格と豪州の景気が下振れることには注意が必要です。ただし、中国政府・当局は、景気対策や金融緩和により景気を支えると見られ、株式市場が落ち着くにつれ、徐々に中国の成長期待も戻ると考えられます。
■豪ドルは、資源価格の底堅さと日豪金利差の安定を背景に、底堅く推移することが見込まれます。
