ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコ中銀、政策金利を据え置き、リラの安定化策を追加【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコ中銀、政策金利を据え置き、リラの安定化策を追加【デイリー】

2015年4月23日

【ポイント1】主要な政策金利を据え置き

リラの安定化策を追加
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は22日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限金利を10.75%に、下限金利を7.25%に据え置くことを発表しました。足元でリラ安が進むなか、市場では中銀が前回3月に続き各種政策金利を据え置くとの見方が大勢でした。

■一方中銀は、外貨を貸し出す際の金利引き下げと、リラの準備預金に対する金利引き上げを発表しました。これにより市中銀行が外貨を調達しやすくなると同時にリラの需給を引き締める効果が見込まれ、リラ相場の安定が期待されます。

【ポイント2】物価動向を見極める姿勢

世界的な金融市場の不安定さを警戒
■中銀は、これまでの金融引き締め策の効果などから、物価の基調は落ち着きつつあると見ています。ただし、世界的な金融市場の不透明さや食品価格の上昇を警戒しています。

■3月の消費者物価指数は前年同月比+7.61%と、中銀の物価目標(年+5%)を大幅に上回っています。また、市場の1年後の予想も同+6.91%と、目標に達しない見込みになっています。

■中銀は物価見通しが顕著に改善するまで、現行の高めの政策金利を維持する方針です。リラの安定化に向けては、市場ではさらに政策の追加を予想する見方もあります。

【今後の展開】物価次第で利下げ再開、景気拡大期待が高まればリラは持ち直しへ

■海外と比較して高めの金利は、リラの下支え要因です。また、高めの金利は内需を抑え、輸入の減少などによる経常収支の赤字縮小をもたらし、リラの需給改善につながっています。

■物価見通しが落ち着けば、中銀は利下げを再開することが可能になります。利下げ再開により、景気拡大期待が高まれば、リラは持ち直しに向かうと期待されます。

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