ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコリラの最近の動向と今後の見通し  総選挙を控え不安定化、中銀の政策が下支え【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコリラの最近の動向と今後の見通し  総選挙を控え不安定化、中銀の政策が下支え【デイリー】

2015年4月16日

【ポイント1】リラが対米ドルで史上最安値

政治的不透明感などが背景
■トルコリラは、3月末から4月15日まで、米ドルに対し3.9%安となり、史上最安値を更新しました。対円でも同期間に4.6%安となっています。

■米国の利上げ観測から米ドル高傾向となるなか、トルコでは6月に総選挙が予定されており、政治や経済・金融政策を巡る不透明感がリラ安要因となっています。

【ポイント2】総選挙での与党退潮を懸念

市場が評価する副首相退任観測も影響
■14日に公表された世論調査では、与党公正発展党(AKP)が議席数を前回2011年の総選挙時に獲得した327から261に大幅に減らす見込みが示されました。エルドアン大統領の権限強化に警戒感が広がっていることが一因との指摘が見られます。

■同大統領はトルコ中央銀行(以下、中銀)に対し、物価高のなかでも景気に配慮した利下げを求めており、市場ではこうした姿勢について強い懸念があります。また、中銀への圧力を抑える働きをしてきたババジャン経済担当副首相について、4選を不可とする党の規則により再任が困難との観測も、リラ安要因になっています。

【今後の展開】中銀の高金利維持と、経常収支改善はリラを下支え

■中銀は1月と2月に利下げを行いましたが、3月17日の金融政策委員会では各種政策金利を据え置きました。市場では、バシュチュ総裁が同月中旬に大統領と会談した際に物価高抑制の重要性を説き、利下げへの圧力を退けることに成功したとの見方が広がっています。

■中銀は、昨年1月に大幅な利上げを行い、その後の利下げは比較的小幅にとどめています。高めの政策金利は内需を抑え、輸入の減少などによる経常収支の赤字縮小にもつながっています。政治的不透明感は当面リラの不安定要因ですが、海外と比較して高い金利水準は、リラの下支え要因になると見込まれます。

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