豪中銀、政策金利を据え置き、豪ドルは上昇【デイリー】
2015年4月7日
【ポイント1】過去最低の2.25%で据え置き
予想は据え置きと利下げに割れる
■オーストラリア準備銀行(RBA)は7日、政策金利を2.25%に据え置きました。
■声明文では、「政策金利は当面現状の水準が適切であり、必要があれば景気下支えのため追加的な緩和をする」との方針を維持し、依然として利下げの可能性があることを示しました。
■物価についても「今後1~2年の物価見通しがインフレ目標に沿う」とのこれまでの見方を維持しました。
■市場では30名のエコノミストのうち17名が据え置きを13名が利下げを予想し、据え置きがやや優勢ながら意見が割れていました。

【ポイント2】豪ドルは上昇
物価上昇率は低下傾向
■利下げ観測もあったことから、発表直後の豪ドル円レートは、前日比1.3%豪ドル高の91.90円(日本時間14時)となっています。
■賃金上昇率の低下や原油・資源価格の下落などから、物価上昇率は低下傾向にあります。
■小売売上高は、先行性のある消費者信頼感指数が上昇傾向にあり底堅く推移する見込みです。
■輸出は、中国の景気刺激策の効果などにより緩やかな回復が見込まれるものの、鉄鉱石価格の下落などから、やや不透明感があります。

【今後の展開】追加利下げが見込まれ、株式やリートのサポート要因
■今回の据え置きの決定には、投資需要による不動産価格の上昇をやや警戒する姿勢もうかがわれます。ただし、RBAは、景気下支えのための利下げバイアスを崩していません。設備投資の低迷や輸出の不透明感などから、追加利下げが実施される見込みです。
■世界的な景気拡大を背景とした企業収益の拡大や、緩和的な金融環境から、株式やリートは底堅く推移することが期待されます。
■日本などと比較して高い金利水準が見込まれ、日銀の金融緩和が当面続くと見られることから、豪ドルは対円で底堅く推移する見込みです。