最近の指標から見る豪州経済(2015年3月) 底堅い消費が設備投資の弱さをカバーする展開【デイリー】
2015年3月24日
【ポイント1】消費は改善の見込み
住宅市場は堅調さを維持
■2014年10-12月期の実質GDP成長率(季節調整済)は、前期比+0.5%と前期の+0.4%から上昇しました。全体として力強さは欠くものの、鉱業関連などの設備投資の弱さを消費と純輸出がカバーし、底堅い景気が持続しています。
■このところ鈍化している小売売上高は、先行性のある消費者信頼感指数が上昇傾向にあることから、今後改善が見込まれます。
■住宅市場は、緩和的な金融環境の中で住宅ローン件数が増加していることから、今後も堅調に推移する見込みです。

【ポイント2】物価上昇率は低下基調
追加利下げ観測が強まる
■賃金上昇率の低下や原油・資源価格の下落などから、物価上昇率は低下基調にあります。
■豪州準備銀行(RBA)は、3月3日の金融政策決定会合で政策金利を据え置きました。物価上昇率が下振れていることなどから、追加利下げの可能性を示唆しました。
【今後の展開】緩和的な金融環境のもと、消費と純輸出が支える底堅い景気が持続
■消費は、住宅価格の上昇やガソリン価格の低下による購買力の向上により底堅さを維持すると見られます。設備投資の弱さを消費と純輸出がカバーする展開が続く見込みです。
■物価の下振れなどにより追加利下げが見込まれますが、景気が底堅さを維持することから、利下げは小幅にとどまると考えられます。
■追加利下げはあっても比較的高い金利水準が維持され、日銀の金融緩和が続くことからも、豪ドルは対円で底堅く推移する見込みです。
■底堅い景気を背景とした企業収益の拡大に加え、豪州や主要国での緩和的な金融政策により高い配当利回りの魅力が増し、株式やリートは上昇基調が続くことが期待されます。