ホームマーケット日々のマーケットレポートインドネシア中銀、利下げを見送り【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

インドネシア中銀、利下げを見送り【デイリー】

2015年3月18日

【ポイント1】政策金利を7.50%で据え置き

市場予想通り
■インドネシア銀行(中央銀行、以下中銀)は17日、政策金利を7.50%で据え置くことを発表しました。昨年11月、公定の燃料価格引き上げの影響を抑制するため緊急利上げが実施され、その後2月に物価の落ち着きを受け引き上げ分を戻す形となっていました。

■ブルームバーグの集計によると、エコノミスト17名中、15名が据え置きを、2名が利下げを予想しており、概ね市場予想通りとなりました。

【ポイント2】物価上昇率は低下する見込み

通貨ルピア安が懸念材料
■中銀は、食品価格の安定などから物価上昇率が2015年、2016年の目標(年4%±1%)に向けて低下すると見ています。

■中銀は、2015年の経済成長率がインフラ整備に向けた高水準の投資や底堅い消費などに支えられ年+5.4%~+5.8%へ緩やかに加速すると見ています。過去の平均的な成長率を下回ることなどから、中銀は利下げにより景気のテコ入れを図りたいと思われます。一方、足元で通貨ルピアが下落基調にあり、利下げは一層の通貨安圧力になることから、早急な利下げの実施には慎重な姿勢です。

【今後の展開】投資拡大が成長のけん引役、追加利下げはルピアの安定がカギ

■ジョコウィ大統領は、財政支出を補助金からインフラ投資に振り向ける経済政策を進めています。また、外国企業による投資手続きの簡素化なども進めており、海外からの投資の拡大が期待されます。投資の拡大が成長のけん引役となる見込みです。

■ルピア安は輸出にプラス要因となるものの、通貨安が急激に進む場合には、物価の上昇などを通じて経済の安定を損なう要因ともなり得ます。追加利下げの実施には、ルピアの安定がカギを握ると見られます。

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