トルコ中銀、各種政策金利を据え置き【デイリー】
2015年3月18日
【ポイント1】各種政策金利を据え置き
市場予想通りの決定
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は17日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限金利を10.75%に、下限金利を7.25%に据え置くことを発表しました。
■中銀は、昨年1月にトルコリラの安定化を狙い、各種政策金利を大幅に引き上げました。その後は利下げによる金利水準の正常化を進めており、今年1月と2月の2会合連続で利下げを実施していました。今回は、足元のトルコリラ安などから利下げ見送りとの見方が大勢でした。

【ポイント2】物価上昇の加速などに対応
世界の金融市場不安定化も考慮
■2月の消費者物価指数は前年同月比+7.55%と、前月の同+7.24%から上昇しました。また、4カ月連続で前月比低下していた市場の1年後の予想も、3月には上昇に転じました。
■中銀は、これまでの金融引き締め策の効果などから、物価の基調は落ち着きつつあると見ています。ただし、世界的な金融市場の不透明化や、野菜など食品価格の上昇を警戒しています。米国の利上げ開始を巡る観測などから足元でリラ安圧力が継続していることもあり、今回は政策金利の据え置きが適当と判断したと見られます。

【今後の展開】利下げ継続には、リラの安定などを通じた物価見通しの低下が重要
■1月の鉱工業生産指数がマイナスに転じるなど足元の景気に弱さが見られ、利下げによる景気の下支えが必要な状況です。ただし中銀は、物価見通しが顕著に改善するまで、引き締め姿勢の解除には慎重なスタンスを続ける考えです。
■声明文では、これまでと同様に、市場の物価見通し、足元の物価動向、その他物価に影響を与える要因を注視する方針が示されました。さらなる利下げには、リラの安定などを通じた物価見通しの低下が重要と見られます。