タイ中銀が予想外の利下げ【デイリー】
2015年3月12日
【ポイント1】政策金利を0.25%引き下げ
利下げは約1年ぶり
■タイ銀行(中央銀行、以下中銀)は11日、定例の金融政策会合で政策金利を0.25%引き下げ1.75%とすることを決定しました。利下げは2014年3月以来、約1年ぶりです。ブルームバーグの集計によると、エコノミスト16名が政策金利の据え置きを、6名が利下げを予想しており、予想外の決定と言えます。
■今年に入りインド、インドネシア、中国で利下げが実施されるなど、アジア新興国では金融緩和の流れが強まっています。原油安などにより物価が下振れていることも背景です。

【ポイント2】景気のてこ入れがねらい
物価上昇率は低下
■中銀は、消費と投資が予想以上に下振れているため、景気回復ペースがさらに鈍化すると見ています。利下げは、景気のてこ入れがねらいです。
■物価上昇率は、原油安により足元でマイナス圏に低下しています。中銀は、財やサービスの価格が上昇していることから、物価は目標(年+2.5%±1.5%)レンジを下回りながらも通年で+1%台前半で推移すると見ています。

【今後の展開】政策金利は据え置きへ、景気下振れの場合の利下げ余地を残す
■世界経済の回復や公共投資の拡大により、景気は回復に向かう見込みです。物価上昇率は、原油価格に底入れ感が出ていることなどから、中銀の見方に沿い緩やかに上向くと見られます。
■公共投資の実施が遅れたり中国向け輸出が下振れる場合には、追加利下げの可能性が残りそうです。