オーストラリア、政策金利を据え置き【デイリー】
2015年3月3日
【ポイント1】過去最低の2.25%で据え置き
市場予想は利下げが大勢
■オーストラリア準備銀行(RBA)は3日、政策金利を2.25%に据え置くことを決定しました。
■声明文では、「政策金利は当面現状の水準が適切であり、必要があれば景気下支えのため追加的な緩和をする」とされました。物価については「今後1~2年の物価見通しがインフレ目標に沿う」との従来の見方が維持されました。
■市場では29名のエコノミストのうち18名が利下げを予想していました。大方の予想に反する決定を受け、株価は下落、豪ドルは上昇しています。

【ポイント2】物価上昇率は低下
消費、輸出は回復へ
■賃金上昇率の伸び悩みや原油・資源価格の下落により、物価上昇率は低下基調にあります。
■消費の伸びは緩慢ながらも、先行性のある消費者信頼感指数が上昇しているため、今後の消費の回復が期待されます。
■輸出は、資源価格に下げ止まりの兆しが見られことや中国向け鉄鉱石の輸出が増加していることなどから、底入れ感が出ています。

【今後の展開】底堅い景気や高配当を背景として株式やリートは底堅く推移
■低金利政策やガソリン価格の低下などから消費は底堅く推移することが見込まれます。
■政策金利は当面据え置かれる見込みですが、景気が下振れた場合に利下げ余地を残しています。
■底堅い景気を背景とした企業収益の拡大に加えて配当利回りの高さなどから、株式やリートは底堅く推移することが期待されます。
■日本などと比較して高い金利水準が維持される見込みであり、日銀の金融緩和が当面続くと見られることから、豪ドルは対円で底堅く推移する見込みです。