最近の指標から見るインド経済(2015年2月) 利下げやインフラ投資により、景気は底堅い推移へ【デイリー】
2015年2月26日
【ポイント1】生産は前年比プラスを維持
貿易赤字は縮小傾向
■2014年12月の鉱工業生産指数は、企業景況感の改善基調などを受け前年比プラスを維持しました。企業景況感の改善は原油安などによる物価の落ち着きや経済構造改革への期待が要因と見られます。
■2015年1月の貿易収支は、原油安などにより輸入が減少したことなどから、赤字額が2カ月連続で縮小しました。

【ポイント2】物価上昇率は低位
2月会合で政策金利は据え置き
■2015年1月の消費者物価指数は前年同月比+5.1%となり、インド準備銀行(中銀、以下RBI)の2015年1月の目標+8.0%を下回りました。
■RBIは、2月の定例会合で政策金利(レポレート)を7.75%に据え置きました。1月15日の緊急利下げ後、物価などの情勢に大きな変化がなかったことが据え置きの理由です。

【今後の展開】利下げの継続、投資・輸出の拡大を支えに景気は底堅く推移する見込み
■物価上昇率は、原油・資源価格の下落などから、RBIの2016年1月目標の+6%に近づくと予想されます。物価安定などにより、政策金利の下げ余地が生じており、市場では複数回の利下げが行われるとの見方が強まっています。
■2月28日に発表予定の2015年度(2015年4月~2016年3月)予算案では、財政赤字の縮小とインフラ整備への投資拡大が見込まれます。世界経済の回復による輸出拡大も期待され、「モディノミクス」の進展により、景気は底堅く推移する見通しです。
■景気の底堅さを背景に、財政健全化の進展は国債の信用力を高めると見られ、中長期的にもルピーは底堅く推移すると期待されます。