最近の指標から見る豪州経済(2015年2月) 消費が下支えし景気は底堅い推移へ【デイリー】
2015年2月25日
【ポイント1】消費者信頼感が改善
住宅市場は拡大基調
■昨年12月の小売売上高は、伸び率が大きく低下しましたが、先行性のある消費者信頼感指数が、低金利政策やガソリン価格の低下などから上昇しているため、今後の消費の改善が期待されます。
■住宅建設許可件数が増加傾向にあるなど、住宅市場は拡大基調にあります。緩和的な金融環境が住宅市場を支え、堅調な推移が見込まれます。
■輸出は、資源価格に下げ止まりの兆しが見られことや中国向け鉄鉱石の輸出が増加していることなどから、底入れ感が出ています。

【ポイント2】物価上昇率は低下
追加利下げ観測が強まる
■賃金上昇率の伸び悩みや原油・資源価格の下落により、物価上昇率は低下基調にあります。
■豪州準備銀行(RBA)は、今月3日の金融政策決定会合で約1年半ぶりの利下げを決定しました。足元でさらにインフレ圧力が弱まっているため、追加利下げの観測が強まっています。

【今後の展開】低金利政策などが消費を下支えし景気は底堅く推移
■消費は、昨年と比べやや勢いを欠きながらも低金利政策やガソリン価格の低下による購買力の向上により、底堅い推移が見込まれます。
■物価上昇率の低下から、RBAは追加利下げを実施するとの見方が強まっています。ただし、景気が底堅く推移すると見込まれることから、利下げは小幅にとどまると思われます。
■日本などと比較して高い金利水準が維持される見込みであり、また、日銀の金融緩和は当面続くと見られることから、豪ドルは対円で底堅く推移すると見込まれます。
■底堅い景気を背景とした企業収益の拡大に加えて配当利回りの高さなどから、株式やリートは上昇基調が続くことが期待されます。