ホームマーケット日々のマーケットレポートトルコの物価動向と金融政策  物価上昇率は低下も、臨時利下げを見送り【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

トルコの物価動向と金融政策  物価上昇率は低下も、臨時利下げを見送り【デイリー】

2015年2月6日

【ポイント1】物価上昇率は低下傾向

市場は下げ渋りと予想
■1月の消費者物価指数は前年同月比+7.24%と、昨年5月の同+9.66%を直近のピークに低下傾向にあります。

■トルコ中央銀行(以下、中銀)は、これまでの金融引き締め策や原油安などから、今年半ばには目標(年+5%)近くに低下すると予想しています。

■一方、中銀の調査による市場予想は、来年1月に同+6.81%と、中銀の予想よりも高い水準にあります。トルコリラの下落による物価上昇圧力への懸念などが背景と思われます。

【ポイント2】中銀は1月に利下げを再開

臨時利下げは見送り
■中銀は1月20日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を0.50%引き下げ7.75%としました。中銀は、昨年1月にリラの安定化を狙い、各種政策金利を大幅に引き上げ、その後は利下げによる金利水準の正常化を進めています。

■なお、中銀は1月の物価が落ち着くのであれば臨時会合を開き、利下げを実施するとの考えを示していましたが、臨時会合の開催を見送りました。食品やエネルギーなどを除く基調的な物価上昇率が1月も前年同月比+8.63%と高かったことなどが背景と見られます。

【今後の展開】中銀は追加利下げを慎重に進めると見られ、高金利がリラを下支え

■足元では、トルコの追加利下げ観測や米国の利上げ観測などから、リラが米ドルや円に対して下落傾向にあります。市場の物価見通しは、リラ安による上昇懸念と原油安による低下期待の両方に影響され、振れやすい状況です。

■市場の物価見通しが不安定ななか、中銀は追加利下げを慎重に検討すると見られます。リラは不安定な動きが当面続くことも想定されますが、高金利が下支えになりそうです。次回会合は、2月24日に予定されています。

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