インドの金融政策(2015年2月) 緊急利下げ後となる2月定例会合では据え置き【デイリー】
2015年2月4日
【ポイント1】政策金利を7.75%に据え置き
市場予想通りの決定
■インド準備銀行(RBI)は3日、政策金利(レポ金利)を7.75%に据え置くことを決定しました。据え置きは大方の市場予想通りです。
■声明文によると、1月15日の緊急利下げ以降、物価や政府の財政緊縮などの情勢に大きな変化がなかったことから、追加利下げは見送られました。

【ポイント2】物価上昇率は低下
経済成長率の見通しは維持
■RBIは、物価上昇率が2016年1月の年+6%の目標に沿って推移すると見ています。一方、天候要因による食品価格の上昇や原油価格の再上昇が物価上昇のリスクであるとしました。
■2014年度(2014年4月~15年3月)の経済成長率の見通しは+5.5%で維持されました。原油価格の下落が消費者の購買力を向上させ消費の上振れ要因となるものの、世界経済の下振れにより相殺されるとしています。

【今後の展開】緩和的な金融環境は製造業の発展を後押し
■原油価格の下落は、経常収支や財政収支の赤字を縮小させる要因です。また、輸送費や材料費を低下させることから、企業収益の拡大にも寄与し、全体として景気のプラス要因です。
■物価上昇率の低下などを確認しながらRBIは年内に数回の利下げを実施するとの見方が市場で強まっています。緩和的な金融環境は投資や消費の拡大を促し、製造業の発展を目指す「モディノミクス」を後押ししそうです。
■ルピーは、日銀による強力な金融緩和により、昨年10月後半以降対円で上昇基調にあります。年内に数回の利下げが見込まれるものの、経常収支の赤字が縮小傾向にあることや日銀の強力な金融緩和が続くと見られることから、ルピーは対円で底堅い推移が見込まれます。