オーストラリアの金融政策(2015年2月) 約1年半ぶりの利下げを決定【デイリー】
2015年2月3日
【ポイント1】過去最低の2.25%に
市場予想に反し0.25%の利下げ
■オーストラリア準備銀行(RBA)は3日、政策金利を0.25%引き下げ2.25%としました。2013年8月に利下げして以来約1年半ぶりの利下げです。
■声明文では、「内需が弱含むなか、今回の利下げにより需要の下支えが期待される」とし、利下げが景気の下支えにねらいがあることを明らかにしました。物価については「今後1~2年の物価見通しがインフレ目標に沿う」との従来の見方が維持されました。
■市場では29名のエコノミストのうち22名が据え置きを予想しており大方の予想に反する決定です。予想外の決定を受け、声明文発表直後、株価は上昇、豪ドルは下落しました。

【ポイント2】物価上昇率は低下基調
輸出には底入れ感も
■賃金上昇率の伸び悩みや原油・資源価格の下落により、物価上昇率は低下基調にあります。
■足元で消費がやや弱含んでいる一方、住宅市場は金利の低下を背景として引き続き拡大基調にあります。
■輸出は、資源価格が下落しているものの中国向け鉄鉱石などが拡大していることから、底入れ感もうかがわれます。

【今後の展開】景気拡大や高配当は引き続き株式やリートを支える見込み
■低金利と雇用の緩やかな改善傾向などから、RBAは経済成長率が当面年+2%台半ばで推移すると見ています。
■インフレ圧力の低下により追加利下げの可能性はあるものの、景気の底堅さから利下げ余地は限定的と見られます。
■緩和的な金融環境が続く見通しのなか、比較的高い成長率や配当利回りの高さなどが好感され、株式やリートは上昇基調が続くことが期待されます。債券は国債の高い信用力などから堅調な推移が見込まれます。
■豪ドルは、主要国と比べ高い金利水準や日銀の強力な金融緩和が継続しそうなことから、対円で底堅く推移する見込みです。