トルコの金融政策(2015年1月) 政策金利(1週間物レポ金利)を引き下げ【デイリー】
2015年1月21日
【ポイント1】政策金利水準の正常化を再開
8月以来5会合ぶりに利下げ
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は20日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を0.50%引き下げ7.75%にすることを発表しました。その他の政策金利(金利誘導レンジの上限11.25%、下限7.50%)は、いずれも据え置きとしました。
■中銀は、2014年1月にトルコリラの安定化を狙い、臨時の措置として各種政策金利を大幅に引き上げました。同年5月から利下げによる金利水準の正常化を始めたものの、物価高への警戒から同年8月の上限金利引き下げ以来、利下げを見送りとしていました。

【ポイント2】物価上昇率低下などに対応
中銀は目標近くへの低下を予想
■12月の消費者物価指数は前年同月比+8.17%と、中銀の物価目標(年+5%)を大きく上回っています。ただし、原油安などから低下傾向にあり、中銀の調査による市場の1年後の予想も低下しています。
■中銀は物価上昇率について、昨年来の金融引き締めや、原油など商品価格の下落から低下傾向にあり、今年半ばに目標近くになるとの予想を示しました。足元の物価上昇率や予想の低下などを考慮し、中銀は利下げ再開を決定したと思われます。

【今後の展開】利下げ継続には、トルコリラの安定が重要
■中銀は、物価見通しが顕著に改善するまで、現行の金融引き締めスタンスを続ける考えです。声明文では、前回と同様に、市場の物価見通し、足元の物価動向、その他物価に影響を与える要因を注視する方針が示されました。
■原油価格の大幅な下落により、物価を押し下げる影響が期待されます。ただし、投資家のリスク回避姿勢がトルコリラ安要因になっており、物価への好影響が薄らぐ可能性があります。利下げの継続には、リラの安定が重要になりそうです。