インド準備銀行が緊急利下げ【デイリー】
2015年1月15日
【ポイント1】政策金利は7.75%へ
昨年12月会合で利下げを示唆
■インド準備銀行(中央銀行、以下RBI)は、1月15日、臨時の政策決定会合で政策金利のレポレートを0.25%引き下げ7.75%とすることを決定しました。預金準備率は4%に据え置かれました。利下げは1年8カ月ぶりです。
■RBIは、先立ち昨年12月の金融政策会合で物価動向などに応じて利下げの準備があることを示唆していました。

【ポイント2】物価上昇率の低下が背景
原油価格の下落も影響
■RBIは、声明文で物価上昇率がRBIの想定より低下したことや政府が財政赤字の目標達成を目指していることを利下げの背景として示しました。
■RBIは、物価上昇率が政策効果などで2016年の目標+6.0%を下回り推移すると見ています。
■物価上昇率は、野菜価格や原油価格の下落により、低下基調にあります。12月の消費者物価指数は前年同月比+5.0%となり、11月の同+4.4%から上昇したものの、市場予想の同+5.4%を下回りました。12月の卸売物価指数は同+0.1%となりました。

【今後の展開】RBIは今後数回の利下げを実施し、景気を下支えする見込み
■RBIは、先行きの物価動向や財政の健全化などに応じ、追加で金融緩和を実施する姿勢を示しました。
■原油など資源価格の下落などから物価の安定が見込まれ、RBIは年内に数回の利下げを実施するとの見方が市場で強まっています。
■利下げの実施は、企業による投資や消費者による購買活動を後押しすることから内需を下支えし、景気のプラス要因です。
■利下げは通貨ルピーの下落要因となるものの、日銀の強力な金融緩和傾向により、対円でルピーは底堅い推移が見込まれます。