2015年のオーストラリア経済の見通し 輸出と消費の拡大により景気は緩やかに加速【デイリー】
2014年12月17日
【ポイント1】足元の景気は底堅く推移
景気の先行きには不透明感も
■景気は、消費の拡大により底堅く推移しています。消費の拡大は、住宅価格の上昇や雇用の緩やかな改善が背景です。輸出は、全体として伸び悩んでいるものの中国向けの拡大など明るい兆しも見られます。
■ただし、資源価格の下落などから企業の景況感が悪化しており、景気の先行きに若干ながら不透明感も漂います。

【ポイント2】輸出と消費が拡大へ
低金利政策と中国景気安定が要因
■輸出と消費の拡大により、来年の景気は緩やかに加速する見込みです。
■消費は、低金利政策が住宅ローンの返済負担を軽減させることなどから拡大が見込まれます。
輸出は、中国経済の安定化により緩やかに回復する見込みです。
投資は、輸出の回復などにより企業の景況感が改善し、持ち直す見込みです。

【今後の展開】低金利が下支えとなり景気は緩やかに加速、リスクは資源価格の下落
■賃金上昇の伸び悩みや資源価格の下落などから、消費者物価の上昇率は、豪州準備銀行の目標である+2~3%の範囲で推移する見込みです。物価の安定から政策金利は過去最低水準で据え置かれ、当面景気を下支えすると見られます。
■景気のリスクとして、資源価格の下落により企業の景況感が一層悪化することが考えられます。その場合、設備投資の下振れ、賃金上昇の伸び悩みなどにつながると見られます。
■豪ドルは、相対的に高い金利差と日銀の強力な金融緩和を背景に、対円で底堅い推移が見込まれます。ただし、主要国の株式や為替市場が不安定化していることから、変動が大きくなる場合には注意が必要です。