2015年のアジア(アセアン4、インド)経済の見通し 輸出と投資がけん引役となり成長は緩やかな加速へ【デイリー】
2014年12月16日
【ポイント1】景気は概ね底堅く推移
タイは政情不安により低成長が続く
■インドネシア、マレーシア、フィリピンの景気は、消費が下支えとなり底堅く推移しています。消費の底堅さは賃金の上昇が背景です。輸出は、今年半ば以降中国経済の減速などから弱含んでいます。投資は、輸出の軟調さなどから足元でやや減速しています。
■タイでは、昨年後半から今年前半にかけての政情不安の影響から、足元で低成長が続いています。インドでは、消費の拡大により景気は回復基調にあります。

【ポイント2】景気は緩やかな加速へ
原油価格の下落は景気にプラス
■各国の景気は、輸出の回復と投資の拡大がけん引役となり、緩やかに加速する見込みです。
輸出は、米国経済の回復と中国経済の安定化により緩やかに回復する見込みです。
投資は政権交代後のインドやインドネシアを中心にインフラ整備などにより拡大の見込みです。
消費は、賃金の増加などから引き続き底堅い推移となる見込みです。
■最近の原油価格の下落は、輸送費や材料費を低下させ企業収益にとって好材料です。消費者の購買力を向上させる効果もあり、インドやタイでは景気のプラス要因です。

【今後の展開】輸出に加え低金利が投資・消費を下支え、インドは政策が投資を後押し
■消費者物価指数の上昇率は、資源価格の下落などから各国で概ね低下基調が見込まれます。そのため、政策金利は概ね据え置かれそうです。資源価格の下落は、物価上昇と金利上昇の抑制要因となり、景気を支えると見られます。
■インドは、外資誘致政策による投資の拡大や原油価格の下落などから、景気回復が続く見込みです。
■各国の景気回復にとってのリスク要因は、米国や中国経済の下振れなどと考えられます。