インドの金融政策(2014年12月) 政策金利を据え置き、来年早い時期の利下げを示唆【デイリー】
2014年12月3日
【ポイント1】5会合連続の据え置き
物価の落ち着きにより利下げへ
■インド準備銀行(RBI)は2日、政策金利(レポ金利)を8.0%に据え置くことを発表しました。据え置きは市場予想通りであり、今年1月に利上げが実施されて以降5会合連続です。
■RBIは声明文で、物価上昇率の低下傾向などが続けば、2015年の早い時期に利下げすることを示唆しました。

【ポイント2】物価見通しを下方修正
経済成長率の見通しは維持
■RBIは、足元での原油価格の下落などを受けて、物価見通しを下方修正しました。天候要因により、物価上昇のリスクがあるとしながらも、消費者物価上昇率は、2015年1月時点の目標の+8%を大きく下回る見通しです。
■経済成長率の見通しは、2014年度(2014年4月~15年3月)を年+5.5%で据え置きました。RBIは、資源価格の下落や企業信頼感の改善により、経済成長率が今後上昇に向かうと見ています。

【今後の展開】利下げは製造業の発展を目指す「モディノミクス」の支援材料に
■原油価格の下落により、経済情勢は好転しています。原油価格の下落は、経常収支や財政収支の赤字の縮小、輸送費や材料費の低下要因となることから、景気にプラスと思われます。
■RBIは、物価が落ち着いていることなどを条件に、2015年の早い時期の利下げを示唆しました。利下げは、製造業の発展を主に目指す「モディノミクス」の支援材料となりそうです。
■ルピーは、日銀による強力な金融緩和により、10月後半以降対円で上昇基調を強めています。利下げは見込まれるものの、日銀の強力な金融緩和が続く見込みであることから、ルピーは対円で底堅く推移しそうです。