最近の指標から見る豪州経済(2014年11月) 景気は雇用と消費に支えられ底堅く推移【デイリー】
2014年11月19日
【ポイント1】消費は底堅く推移
住宅建設許可件数は減少
■9月の小売売上高(季節調整済)は、前年同月比+5.7%となり、今年2月以降は概ね同+5%台で推移しています。雇用環境の改善に支えられ、消費の底堅さは続きそうです。
■10月の雇用者数は2万4千人増となりました。雇用環境は緩やかな改善傾向にあると見られます。
■9月の住宅建設許可件数は、前年同月比▲13.4%と減少しました。住宅市場は、これまでの好調さが維持できるかやや不透明感が強まっています。
■9月の輸出は、前年同月比▲3.7%となり、中国向け輸出の増加などから、マイナス幅が前月(同▲5.4%)から縮小しました。

【ポイント2】政策金利は当面据え置き
物価上昇率は低下傾向
■オーストラリア準備銀行(RBA)は、11月の金融政策会合で政策金利を過去最低の2.5%に据え置きました。声明文では、低金利政策の継続を前回に引き続き示唆しました。
■7-9月期の消費者物価指数は、前年同期比+2.3%と前期(同+3.0%)から低下しています。

【今後の展開】景気は雇用と消費に支えられ底堅く推移
■輸出は、中国向けが増加傾向にあるものの、資源価格の下落により全体としては伸び悩んでいます。内需は、低金利や雇用環境の改善などから消費を中心に底堅く推移しており、GDP成長率は年率+3%前後での推移が見込まれます。
■RBAは、今後2年程度の物価上昇率が年+2~3%で推移すると見ています。物価上昇率は、賃金の上昇率が当面安定的に推移すると見られることやエネルギー価格の下落によりRBAの見方に沿って推移しそうです。物価の落ち着きなどから政策金利は当面据え置かれそうです。
■豪ドルは、相対的に高い金利水準が維持されそうなことや日銀の強力な金融緩和から、対円で上昇基調が見込まれます。ただし、米国の利上げ前倒し観測が強まる場合や資源価格の一層の下落はリスク要因として注意が必要です。